繰り返す問いの答えは核心で弧を描く

「旋律」
この曲が出来たから、CDつくれるなって思ったんです。
それくらい、曲全体でぐいぐいともってく力が強い。
まず最初にAメロのコード進行から膨らませたんだけれど
この進行自体は、実はずっと前にだめにしちゃった曲のもの。
メンバーも多分覚えてないと思うのだけれど、
ノリとリズムを変えて歌ってたら、降りてきた。


僕の曲作りにおいて、そのメロディラインと詞の核になる部分の大半は、
楽器持ってないときに限って降りてくるという厄介なもので。
つまり、「来た」時に捕まえるものがないんです。
コードの進行に対するメロディは、川面を走る魚みたいに自由で、
捕まえようとするとするりと抜けて逃げていってしまう性質のもの。
忘れないように何度も口ずさんだり、携帯のメモとかで記録するんだけど、
声や文字だけだとリズムやコードが着いてないから定着が弱い。
時間を置くと、別のことで頭の中が埋まっちゃうともう結べなくなる。
だから、あんまり外で音楽聴けなくなっちゃった。
ipodとか、いつでも好きな音楽を聴けるのは素敵なことなのだけど、
降りてきたとき、すぐそれが上書きしちゃうから。
その代わり、それでも上書きされないくらいに
強いメロディだけが残るのかなって、そうも思ってはいるのだけれど。


出来たAメロの流れに任せてサビを導く。これは割りとスムーズに行った。
それだけ、導入部分としてAメロが適切な役割を果たしてるってこと。
名曲の条件ですね。
逆に今回はスムーズに行き過ぎて、何度も口ずさんでいると、
主張の強いサビらしきものが2つも出来てるくらい・・。
2曲出来るんじゃないか、とかも思ったけれど、
順番つけてサビ1とサビ2として歌うことにしました。
おかげさまで、ドラマチックさがかなりアップしました。大サビ恐るべし。
曲のピースが全部はまった瞬間、石版がピカー!と光って
新しい世界の扉が開く!!とかそれくらいのハマリ感がありました。
たとえがおかしくてすみません。


詞は、松本でライブがあった夜に朝(まで)マックで書いたんだったっけ。
翌日にパルコ前広場でソロライブがあって、そこで歌うつもりにしてた。
ソロでライブがあると、曲が完成するというジンクスがあって
僕の場合、結構そのパタン多いですね。


どんどんと動いていく世界に、取り残されてしまうような感覚に落ちて
止まってしまった小さな世界のなかで、滞留して淀んでいく想い。
焦ってみてもたどり着けないし、でも、一歩踏み出さなきゃって。
わかり易く言ってしまうと、自分に対しての応援歌ってことになるのかも。
だから、めちゃめちゃ内向的なところからスタートしてるけど、
最終的には外に向かってる。少なくとも自分はそういうつもりです。
詞が好きという人は、実は僕と似てるところがある人だと思いますよ。


バンドのアレンジについては、はたけのブログに譲ることにしますが
ギター一本で、完成形がある程度見えていたので、
メンバーに委ねて持ってきてくれたフレーズとかリズムを基本的には
そのまま活かしてもらう形にしてます。
曲の呼吸に合わせて、ついてくるものに委ねる形ですね。
装飾のギターもコーラスも、まさに曲に付いてきた感じ。

そういうわけで、タイトル曲「旋律」完成です。
この曲が、出来て本当によかった。